オイル百科

オリーブオイル

脂肪酸の比率が>厳密に定められている、カラダにいいオイルの代表格

オリーブオイルとは、オリーブの果実・種子を圧搾して抽出されたオイルです。
オリーブオイルの歴史は古く、古代ローマに自生していた地中海周辺のオリーブの木が利用されていました。オリーブは非常に頑健で、乾燥した荒地などにも強く、成長後の手入れもかからないため、地中海全域に広まりました。
オリーブオイルは、ヨーロッパ、中でも地中海沿岸では、料理に欠かせません。
日本のオリーブオイルは、香川県小豆島で栽培されているものが国内生産量のほとんどを占めています。

日本では、大きく「エクストラバージン」と「ピュア(またはただの「オリーブオイル」)という2種類のオリーブオイルがあり、それぞれ製法が異なります。
オリーブオイルには、香りや成分の基準があり、品質が良い順に「エクストラバージンオリーブオイル」、「バージンオリーブオイル」、「オリーブオイルランパンテ」と分けられます。
エクストラバージンオリーブオイルは最高品質です。
「ピュア」は、精製して香りや味のない「油」の状態にしたものと、エクストラバージンオリーブオイル(もしくはバージンオリーブオイル)をブレンドしたオイルです。このブレンド比率に定めはありません。
ピュアオリーブオイルは、香りや味わいはないものの、オレイン酸などの脂肪酸の成分はエクストラバージンと同じです。

オリーブオイルがカラダに良い理由

オリーブオイルはカラダに良いオイルの代表格と言われるのは、血液中の悪玉コレステロールを下げる効果のあるオレイン酸という脂肪酸を含んでいるからです。
とくにエクストラバージンオリーブオイルはオリーブの果実を絞った「100%天然のジュース」と言えます。オレイン酸以外にも、抗酸化物質であるポリフェノール類をはじめ、アンチエイジング効果が期待できるビタミンEやβカロテンなどが豊富に含まれています。他の油脂では取り除かれてしまうようなフラボノイド等のファイトケミカルの抗酸化物質など、オリーブの実に含まれるさまざまな成分が溶け込んでいます。
国際オリーブオイル協会は、オレイン酸が55~83%、パルミチン酸が7.5~20%、リノール酸が3.5~21%というようにバージンオリーブオイルを規格で定めています。ここまで厳密に定められているのはオリーブオイルだけです。この脂肪酸組成は、食用オイルの中で最も母乳に近いものです。このため、古くから地中海地方ではオリーブオイルが離乳食に使われています。
参考ページ 離乳食にもオススメ!オリーブオイルはいつから使える?注意点は?

オリーブオイルを使った調理のポイント

エクストラバージンオリーブオイルは生で使うものであり、加熱することを勧めない人もいますが、ピュアオリーブオイルにはない香りや風味が、炒めものや揚げものにアクセントになります。
ただし、加熱することによって香りや辛み、苦みなどの味わいが薄まってしまいますので、そうした味わいを最大限に活かすなら生で使うのがいいでしょう。
加熱した料理の仕上げに生のエクストラバージンを加えて、香りが引き立てるのもお勧めです。
ピュアオリーブオイルは香りや風味がないので、通常のサラダ油のような使い方が普通です。ドレッシングのベースなどに使うと、他の調味料を活かす味わいを楽しめます。加熱する場合は、オムレツや卵焼きなどで用いると、クセなくあっさり仕上げることができます。
参考レシピ キャベツと桜えびのEXバージンオイルコールスロー

オリーブオイルの美容効果

肌が乾燥しがちだったり、肌が弱い人に向いているのがオリーブオイルです。肌に負担をかけないやさしい使用感で、年齢とともに失われがちなお肌のうるおいやハリ、弾力、やわらかさをもたらし、肌環境を健やかに整えてくれます。
オレイン酸は人間の皮脂と似た成分でできているため、オリーブオイルは肌になじみやすく、乾燥からお肌を守り、肌トラブルを予防する効果があるといわれています。他にも次のような美容成分が含まれています。

ビタミンE:肌を保護する
ビタミンA:肌のハリと弾力を保つ
ポリフェノール:肌をすこやかに保つ
オレイン酸:保湿効果
スクワレン:浸透作用、保湿効果
リノール酸:水分保持

オリーブオイルの成分

オレイン酸 75%
バルチミン酸 11.5%
リノール酸 9.5%
4%
オリーブオイルの成分

脂肪酸の比率が厳密に定められている
カラダにいいオイルの代表格