食用オイルは日常的に料理に使うものですから、あまり賞味期限を気にしない方も多いと思います。もちろん、食用油にも美味しくいただける賞味期限はあります。お中元などの贈り物として何本ももらうことがありますので、食用油の賞味期限について知っておきましょう。
記載されている賞味期限は、未開封時のもの
料理でよく使う一般的なサラダ油には、1~2年という賞味期限が記載されていることが多いようです。この期限は、あくまでも「開封しないままの場合の期限」です。
サラダ油が入っている容器の種類によっても、賞味期限は異なります。
金属の缶や遮光性の容器に入っている油は、熱や光の影響を受けにくいため、「2年ぐらい」の賞味期限となります。
透明な瓶入りの油は、光以外の影響を受けにくいので、「1年半」ぐらい。
スーパーなどでよく見かける、低価格のプラスチック製容器の油は、「1年」ぐらいです。
風味が大事なゴマ油の場合、ゴマの成分によって、サラダ油より少し長く保つ場合もあります。長く使わずにいて、風味がなくなってしまい、ただの油になっていたら、処分したほうがいいでしょう。ちゃんと最後まで使い切れる量の油を買うことも大事です。
オリーブオイルの賞味期限も、製造方法やメーカーによって異なります。多いのは1~2年という賞味期限。オリーブオイルは10℃以下で保存すると白く固まってしまうことがあります。固まったままで使用するのは控えたほうがいいでしょう。
食用オイルは美容用オイルより酸化しにくいけど……
食用オイルは、美容用オイルに比べると酸化しにくいように作られていますが、どんなに防いでも、いずれ劣化・酸化してしまいます。
酸化は、空気にふれるだけではなく、光に当たることでも起こりますので、おしゃれなボトルに入ったものでも、普段から外に出しておくのではなく、戸棚や冷蔵庫などの暗所で保管することが必要です。劣化したオイルは風味が損なわれてしまうだけではなく、カビなどの雑菌が繁殖したり、有害物質が発生しやすくなるため、開封後は1~2ヶ月で使い切るようにしたいものです。開封後も、劣化を早めないように置く場所に注意してください。
オイルが劣化していないか、ちゃんと見きわめよう
賞味期限を過ぎたオイルや、劣化してしまったオイルは、風味も味も飛んでしまっており、おいしくありません。たとえ未開封でも、保存状態が悪いと同様の状態になりますから、残念ですが使用はあきらめたほうがいいでしょう。
保存状態が特別によければ、期限を多少過ぎても状態がよく、身体にも大きな害が出ないこともあるようです。ただし、少しでも不安がある場合は使用しないでください。
劣化してしまったオイルの見分け方をご紹介しておきますね。
オイルがこんな状態になったら、劣化しています
購入した時よりも、明らかに茶色く変色している場合は、絶対に使用してはいけません。
買ったばかりのオイルはサラサラした液体ですが、ドロドロと粘りけが出てしまっているような状態は、危険です。
また、劣化してしまったオイルは酸っぱい臭いや刺激臭がしたりする場合があります。
揚げ物などで使うために加熱した際に、泡がたくさん出てきた!という場合も、劣化してしまっている可能性があります。
普段よりも多く煙が上がるような場合も、劣化している可能性があります。
未開封だけどちょっと怪しいと思ったら、揚げ物や炒めものなど、加熱して使用してみてください。高温で加熱すると、酸化によって発生した過酸化脂質が分解されます。
オイルポットに貯めておいたオイルは要注意!
揚げものには大量のオイルを使いますよね。捨てるのが面倒だったり、もったいないと思って、調理後にオイルポットなどに移し、後日またそのオイルを使う人も多いと思います。
一度か二度ぐらいならいいかもしれませんが、使い終わったオイルをポットに移し、またそれを使うということを何度も繰り返していると、先述した「劣化したオイル」の条件に当てはまってしまうことも多くなるはず。揚げものに使ったオイルは色が濃くなりますが、臭いも強くなっていたら、2~3回使用したオイルはもうあきらめて処分したほうがいいでしょう。
無理をして再び揚げものに使うと、食材の油切れが悪くなり、ベトベトした仕上がりになってしまいます。こうした状態も、劣化しているかどうかを見分けるためのポイントです。
少しでもオイルを長もちさせるための保存法
お得な価格でスーパーに並んでいるサラダ油は、かなりたくさん入っていますよね。家族が多かったり、結構よく揚げ物をするという人なら使い切ってしまうのも早いと思いますが、あまり揚げものはあまりしないなら、使い切るのが大変という人も多いでしょう。
そんな人は、少しでも劣化してしまうのを防ぐために、保存方法を見直してみてはいかがでしょうか。
光が当たらない場所に保管
オイルは、直射日光だけではなく、部屋の照明に当たっても劣化してしまうことがあります。なるべく光の当たらない、戸棚の中などに保管するようにしましょう。大きなボトルの入る戸棚がなかったら、アルミホイルなどで容器を包んでおくのでも大丈夫です。
高温になる近くに置かない
ガス代付近はもちろんのこと、直射日光が当たる場所も避けましょう。夏場は特に日当たりが強いので注意が必要です。
小さな容器に詰め替える
オイル容器の蓋をきちんと締めておくのは基本ですが、使うたびに蓋を開け、容器をもちあげて注ぐのが大変なようなら、買った直後に小さめの容器に詰め替えておくのもひとつの方法です。調理が楽になるだけでなく、大きい容器のまま保存するよりも、オイルが劣化してしまうことを防いでくれます。
冷蔵庫で保管もいいけど注意が必要
サラダ油は基本的に常温保存すれば問題はありませんが、冷蔵庫にしまっておくのも劣化を防ぐ工夫のひとつです。
冷蔵庫の中は、酸素、熱、光を避けることができる場所ですが、しかし冷えすぎてしまうとオイルが固まってしまい、ダメにしてしまうこともあるので、庫内の温度に注意して、どこに保存するか注意しましょう。
賞味期限を忘れて食用オイルを劣化させない保存のコツ まとめ
せっかく買った食用オイルは最後までおいしくいただきたいですよね。
食用オイルの賞味期限は、種類や容器によって多少異なりますが、未開封の状態で1~2年ほどです。開封後は1~2ヶ月で使い切りましょう。適切でない保管方法だと、賞味期限内であっても劣化してしまうことがありますので、十分注意してください。